ARTICLE
弁護士記事 / Covid 19 関連情報
執筆者: Tsuji France Law
2020 03/18
新型コロナウィルス拡散防止対策下での労働法
新型コロナウィルス拡散防止対策下での労働法
2020年3月18日付の労働法関連の情報を簡単にまとめましたので情報共有いたします。
随時、できる限りアップデート、加筆は行っていこうと考えておりますが、ご希望に添えない場合もありますのであらかじめお含みおきください。
⚠︎基本的にお客様の出入りがない会社は今まで通り労働は可能です。ただ従業員どうしの距離、安全措置は徹底する必要があります。
⚠︎閉鎖が強制されているお店は、お客様が出入りする場所です。お客様の出入りがあるお店でも注釈1 に該当する場合は営業が可能です。
⚠︎レストランその他飲食店は、テイクアウト、デリバリーは継続可能です。もちろん、 従業員やお客様に対しては距離、安全措置をとる必要はあります。
⚠︎テレワークをしている場合は、activité partielleの申請はできません。
1 .お客様との接触もあるため、従業員側から、従業員に保障されている撤退権(droit de retrait)を利用して休むことはできますかと聞かれましたがどうすればいいでしょうか。
接客業であり、Arrêté du 15 mars 2020 complétant l’arrêté du 14 mars 2020 portant diverses mesures relatives à la lutte contre la propagation du virus covid-19 にて許されている業務内容であれば、政府が指示する安全措置(distanciation人と人の間に1メートルの距離を開ける、職場に消毒用ジェルやマスクの備置、人との接触を避ける)が取られていなければ、従業員は撤退権を利用して休む事はできます。その場合は欠勤扱いにはできません。
接客業以外の業務であれば、従業員同士で1メートルの距離を置いて仕事ができる環境であれば、従業員は撤退権を行使することはできません。
ただし、上記の安全措置は取っていれば、通勤中に公共交通機関に乗って感染するリスクがあるということを理由に撤退権を行使して休む場合は、欠勤扱いになります。
2.16歳以下の子供がいる従業員が、子供の学校が閉鎖になったため、休みたいといってきました。どうすればいいでしょうか。
テレワークが可能であれば、雇用主は従業員の合意なしにテレワークを命じることはできます。
業務上、テレワークが不可能であれば、雇用主側がAssurance maladieの管轄当局にオンラインにてこちらのリンク先でarrêt de travailを申請することになります。
Arrêt de travailは、両親が同時に休むことはできません。従業員には、片親しかarrêt をしないことを表明した文書を提出していただき、ご署名いただく必要があります。
その他、子供の氏名、年齢、学校の名前と住所、学校の閉鎖期間(期間が不明の場合は、jusqu’à nouvel ordreと記入)。必要に応じ、下記書面をご利用ください。
Je soussignée, Madame/Monsieur 申請者のご氏名, père/mère de お子様のご氏名, âgé(e) de お子様の年齢 ans scolarisé(e) à 通われている学校の名前 située 学校の住所, déclare que je suis le seul parent à demander un arrêt de travail entre 申請するarrêtの期間, sachant que l’école ferme ses portes jusqu’à nouvel ordre. (署名)
Arrêt de travailは現時点では、最大で14日間申請することが可能です。14日間続けて取ることもできますし、もう一方の親と期間を分けて取ることもできます。
とにかく、もう一方の親と申請する期間が重ならないことが重要です。
もし14日を超える場合は、arrêt de travailを更新することが可能です。病欠のときと同じ手当が支払われます。
⚠︎テレワークが可能であれば、上記arrêt de travailを申請することはできません。
3.客足が減ったために、お店を閉めたい(開店時間を減らしたい)が、従業員に対してはどのようにすればよいか。
- 2020年3月15日0時以降は、スーパー、薬局、メガネ屋、市場、情報機器修理屋、情報機器販売店、ホテル等(レストランはデリバリー、テイクアウトは可)以外のお客様が出入りする店舗は、営業は禁止されることになりました[1]。
雇用主は労働時間を減らして開店時間を減らしたり、閉店することもできます(chômage partiel)。国からの賃金補填を得るためにはあらかじめ申請を行う必要があります。
業務時間を減らしたり、閉店、会社を閉鎖する場合は、雇用主は、少なくても通常の給与額の70%はindemnité compensatriceとして従業員に支払わなければなりません。
一方、雇用主は、次のサイトでcompensation financièreを申請し、国から賃金補填を 受領することができます。
従業員の数が250人以下の場合は、保障されている賃金補填額は、1時間につき7.74ユーロです(労働法典第D5122-13条)
あらかじめ、↓のサイトで申請をする必要があります。
まずはアカウントを開設し、手順に従って申請を行います。
一定の審査期間があり、審査が通れば、雇用主に手当が支払われます。
通常は、申請日から補填がありますが、コロナウィルスの影響により、申請が殺到しているため、2020年3月15日以降の申請については、30日まで遡って補填を適用させることができます。
https://activitepartielle.emploi.gouv.fr/aparts/
またこちらのサイトでは、いくら手当がもらえるかシミュレーションすることができます。
http://www.simulateurap.emploi.gouv.fr/
⚠︎activité partielle (chômage partiel)を申請することができるのは、雇用契約書に掲載されている労働時間よりも実際の労働時間が減る場合のみです。テレワークをしている場合は申請できません。
- 2020年3月17日正午以降も従業員に出勤を命じる場合[2]
2020年3月17日正午以降、外出禁止令が出たが、テレワークが不可能であり、営業が許されている場合は、次の表明書(attestation de déplacement dérogatoire)と雇用主の表明書(justificatif de déplacement professionnel)に必要事項を記入し、外出時に所持する必要があります。
Justificatif de déplacement professionnelは経営者側が署名するもので、従業員の氏名、生年月日、住所、業務内容、勤務地、通勤路(trajet)、メトロなどの通勤手段(Moyen)(メトロなど)を記入して、署名します。
もちろん従業員の安全を確保するために、消毒用ジェル、マスクなどを備置する必要があります。
[1] Arrêté du 15 mars 2020 complétant l’arrêté du 14 mars 2020 portant diverses mesures relatives à la lutte contre la propagation du virus covid-19
営業が認められている店は次の通り
Les activités mentionnées au II de l’article 1er sont les suivantes :
Entretien et réparation de véhicules automobiles, de véhicules, engins et matériels agricoles
Commerce d’équipements automobiles
Commerce et réparation de motocycles et cycles
Fourniture nécessaire aux exploitations agricoles
Commerce de détail de produits surgelés
Commerce d’alimentation générale
Supérettes
Supermarchés
Magasins multi-commerces
Hypermarchés
Commerce de détail de fruits et légumes en magasin spécialisé
Commerce de détail de viandes et de produits à base de viande en magasin spécialisé
Commerce de détail de poissons, crustacés et mollusques en magasin spécialisé
Commerce de détail de pain, pâtisserie et confiserie en magasin spécialisé
Commerce de détail de boissons en magasin spécialisé
Autres commerces de détail alimentaires en magasin spécialisé
Les distributions alimentaires assurées par des associations caritatives
Commerce de détail de carburants en magasin spécialisé
Commerce de détail d’équipements de l’information et de la communication en magasin spécialisé
Commerce de détail d’ordinateurs, d’unités périphériques et de logiciels en magasin spécialisé
Commerce de détail de matériels de télécommunication en magasin spécialisé
Commerce de détail de matériaux de construction, quincaillerie, peintures et verres en magasin spécialisé
Commerce de détail de journaux et papeterie en magasin spécialisé
Commerce de détail de produits pharmaceutiques en magasin spécialisé
Commerce de détail d’articles médicaux et orthopédiques en magasin spécialisé
Commerce de détail d’aliments et fournitures pour les animaux de compagnie
Commerce de détail alimentaire sur éventaires et marchés
Vente par automates et autres commerces de détail hors magasin, éventaires ou marchés n. c. a.
Hôtels et hébergement similaire
Hébergement touristique et autre hébergement de courte durée lorsqu’il constitue pour les personnes qui y vivent un domicile régulier
Terrains de camping et parcs pour caravanes ou véhicules de loisirs lorsqu’ils constituent pour les personnes qui y vivent un domicile régulier
Location et location-bail d’autres machines, équipements et biens
Location et location-bail de machines et équipements agricoles
Location et location-bail de machines et équipements pour la construction
Activités des agences de placement de main-d’œuvre
Activités des agences de travail temporaire
Réparation d’ordinateurs et de biens personnels et domestiques
Réparation d’ordinateurs et d’équipements de communication
Réparation d’ordinateurs et d’équipements périphériques
Réparation d’équipements de communication
Blanchisserie-teinturerie
Blanchisserie-teinturerie de gros
Blanchisserie-teinturerie de détail
Services funéraires
Activités financières et d’assurance
[2] 2020年3月17日正午以降は、買い物、医療機関、通勤、家の近くでの軽い運動以外は外出することはできません。外出する場合は、必ず、こちらのリンク先https://mobile.interieur.gouv.fr/Actualites/L-actu-du-Ministere/Attestation-de-deplacement-derogatoire-et-justificatif-de-deplacement-professionnel
の表明書に該当する外出理由にチェックした紙を所持して外出する必要があります。